「85歳でもクレジットカードを作ることはできるのだろうか?」「高齢になってからの審査は厳しいのではないか?」そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実は、85歳でもクレジットカードを作れる可能性は十分にあります。年齢よりも「年金などの安定収入」と「過去の支払い実績」が重視されるため、条件を満たせば審査に通ることは決して珍しくありません。
一方で、高齢者を狙った特殊詐欺やクレジットカード不正利用は増加傾向にあり、安全なカード選びと家族による見守りが欠かせない時代にもなっています。
本記事では、85歳でもクレジットカードを作れるのか、審査の現実はどうなっているのか、そして安全に使うためのポイントとおすすめカードについて詳しく解説していきます。自分自身や親・祖父母のためにクレジットカードを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読めば、85歳でも安心してクレジットカードを利用するための知識が身につくはずです。
85歳でもクレジットカードは作れる?年齢制限の基本
クレジットカードに「何歳まで」という上限はあるのか
多くの方が気になるのが、「クレジットカードには年齢の上限があるのか?」という点です。
実は、多くのクレジットカードは「18歳以上(高校生を除く)」など申込年齢の下限だけを定め、上限年齢を明示していません。つまり、カード会社は「〇歳以上はお断り」という明確な線引きをしていないのが一般的です。
そのため、85歳でも申込条件(安定収入・信用情報)を満たせば、新規発行や更新が通るケースがあります。実際に80代・90代での新規発行や更新事例も報告されており、年齢だけを理由に一律に断られるわけではありません。
ただし、カード会社によっては内部的に「高齢者の場合は慎重に審査する」という方針を持っている場合もあるため、全てのカードで同じように審査が通るわけではない点は理解しておく必要があります。
80代・高齢者のカード保有率から見る「85歳ニーズ」
「85歳でクレジットカードを持つ人なんているのだろうか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、実は高齢者のクレジットカード保有率は非常に高いのです。
JCBの調査では60代以上のクレジットカード保有率が9割超となっており、高齢者にとってもクレジットカードは一般的な決済手段になっています。
この背景には、以下のような社会的な変化があります。
- キャッシュレス化の進展:現金を使わない決済が増えている
- 公共料金のカード払い:電気・ガス・水道などの自動支払い
- ネット通販の利用増加:高齢者もオンラインショッピングを活用
- 旅行やレジャーでの利用:ホテルや交通機関での決済
キャッシュレス化や公共料金・通販利用の増加により、80代以降もカード需要は続いています。むしろ、現金を持ち歩くリスクや、ATMへの外出負担を考えると、クレジットカードの必要性は高まっているとも言えます。
85歳がクレジットカードを作るメリット・デメリット
メリット(支払い管理・ポイント・保険・外出負担軽減)
85歳でクレジットカードを持つことには、以下のようなメリットがあります。
1. 支出の見える化と管理のしやすさ
カード払いにすると、利用明細がオンラインや紙で一覧できます。現金払いよりも支出管理がしやすく、「何にいくら使ったか」が一目瞭然です。
家計簿アプリと連携できるカードもあり、家族が支出状況を把握しやすい点も高齢者世帯には大きなメリットとなります。
2. ポイント還元でお得に
多くのカードはポイント還元プログラムを用意しており、年金生活でも出費を抑えることができます。
例えば
- スーパーでの買い物でポイントが貯まる
- 公共料金の支払いでポイントが貯まる
- 貯まったポイントで商品券や商品と交換できる
3. 付帯保険による安心感
多くのクレジットカードには、以下のような保険が付帯しています。
- ショッピング保険:購入した商品の破損や盗難を補償
- 旅行傷害保険:旅行中のケガや病気を補償
- カード盗難保険:不正利用された場合の補償
年金生活でも出費の圧縮や旅行の安心感につながります。
4. 外出負担の軽減
高齢になると、現金を引き出すためにATMへ行く負担が増えます。
クレジットカードがあれば
- ATMへの外出回数を減らせる
- 大金を持ち歩く必要がない
- オンラインショッピングで買い物が完結
デメリット(使い過ぎ・不正利用・本人の判断力低下のリスク)
一方で、85歳がクレジットカードを持つことには注意すべきデメリットもあります。
1. 使い過ぎのリスク
リボ払い・キャッシングなどを理解せずに使うと、定額年金の範囲を超える支払いが発生しやすくなります。
特に
- 「月々の支払いが少なくて済む」というリボ払いの罠
- 分割払いやキャッシングの金利負担
- ネットショッピングでの「ワンクリック購入」による意図しない課金
スマホショッピングやサブスク契約に不慣れな高齢者ほど、意図しない継続課金などのトラブルに注意が必要です。
2. 不正利用・詐欺被害のリスク
高齢者のフィッシング・不正送金・クレジットカード不正利用相談は増えており、60代・70代以上からの相談が4割以上を占めると報告されています。
具体的には
- SMSやメールからの偽サイト誘導
- 電話でカード番号を聞き出す詐欺
- カードのすり替え被害
- ネットショッピングでの情報漏洩
インターネットバンキングやクレジットカード不正利用被害額は近年高水準で、被害総額も増加傾向にあります。
3. 判断力低下による管理の難しさ
認知機能の低下や健康状態によっては、利用管理が難しくなり、家族のサポートが必須になるケースもあります。
- 利用した記憶がない
- 暗証番号を忘れてしまう
- 請求書の内容が理解できない
- 詐欺の電話を見破れない
85歳の審査は厳しい?クレジットカード会社が見るポイント
収入(年金を含む)と支払い能力
クレジットカードの審査で最も重要なのが「支払能力」です。
年金受給者でも安定収入として評価され、一定の返済能力があれば審査通過の可能性があります。定職を退いた高齢者でも、年金や不動産収入などを正しく申告し、他社借入が少なければ審査通過の可能性があります。
審査で重視されるポイント
| 項目 | 審査での評価 |
|---|---|
| 年金収入 | 安定収入として評価される |
| 不動産収入 | プラス要素として評価 |
| 他社借入 | 少ないほど有利 |
| 延滞履歴 | ないことが前提 |
| 信用情報の傷 | あると厳しい |
逆に、過去の延滞や債務整理歴、多額のリボ残高など「信用情報上の傷」があると、年齢に関係なく審査が厳しくなります。また、他社借入や延滞履歴がないかなど、年齢よりも信用情報の内容が重視されます。複数枚のカードを短期間に申し込むと「申込情報」が集中して記録され、審査側の警戒を招く点も、高齢者に限らず共通の注意点です。
家族構成・連絡先・固定電話などの信用要素
年齢以外にも、カード会社は以下のような要素を審査で確認します。
連絡の取りやすさ
カード会社の多くは、自宅電話・携帯電話・連絡先の記入を求め、連絡の取りやすさや生活基盤の安定性を確認します。
- 固定電話がある
- 長年同じ住所に住んでいる
- 携帯電話の契約がある
これらは「生活が安定している」という評価につながります。住所・電話番号・連絡先が安定していることも信用評価に影響します。
家族によるサポート
連絡の取りやすさや、家族によるサポートの有無は、高齢者の利用環境として重視されるとされています。
- 同居家族がいる
- 緊急連絡先として家族を記載できる
- 家族がカード利用をサポートできる環境
連絡先として同居家族や緊急連絡先を記載できることは、審査後の運用・トラブル対応にもプラスです。
健康状態・判断能力は審査にどう関わるか
「健康状態が悪いと審査に落ちるのでは?」という心配をする方もいますが、実際はどうなのでしょうか。
審査では主に書面情報・信用情報が用いられ、医療情報を直接確認することは通常ではありません。そのため、軽度の持病や通院状況だけを理由に自動的に審査落ちすることは想定されていません。
ただし、以下の場合は注意が必要です。
- 認知症などで本人の意思表示が難しい場合
- 明らかに契約内容を理解できない状態
このような場合、明らかに本人の意思確認が難しい状況での申し込みは、家族カードや後見制度の利用が現実的になります。金融機関全体としても、高齢者の判断能力低下に配慮し、家族同席での手続きや代理人制度活用を案内するケースが増えています。
85歳がクレジットカードを申し込む前に確認すべきチェックリスト
本人名義で作るべきか?家族カード・デビットカードという選択肢
クレジットカードを作る前に、まず「どの形式のカードが自分に合っているか」を検討しましょう。
1. 本人名義のクレジットカード
メリット
- 自分で支出を管理できる
- 家族に利用内容を見られない
- 自分のクレヒス(信用履歴)が積める
デメリット
- 審査に通る必要がある
- 使い過ぎのリスクがある
2. 家族カード
スーパーホワイトの高齢者や90歳以上には家族カードがおすすめとする解説があり、家族カードをリスク分散策として推奨する記事が多くあります。
家族カードは本会員(子世代など)の信用情報を前提に発行されるため、本人の年金額や年齢だけで審査が決まらない点がメリットです。
メリット
- 本人の審査が不要または緩い
- 家族が利用状況を把握できる
- 年会費が安い(または無料)
デメリット
- 家族に利用内容が見える
- 本会員の信用情報に依存
3. デビットカード
即時引き落としのデビットカードは使い過ぎを防ぎやすく、高齢者向け決済手段として紹介されることが多いです。
メリット
- 審査が不要またはほぼない
- 口座残高以上は使えない
- 使い過ぎの心配がない
デメリット
- クレジットカードより使える店が少ない場合がある
- ポイント還元率が低い場合がある
4. プリペイドカード
チャージした分だけ使えるプリペイドカードや交通系ICなども、詐欺被害や限度額の観点で安心とされます。
| 本人名義 | 家族カード | デビット | プリペイド | |
|---|---|---|---|---|
| 審査 | 必要 | 本会員のみ | ほぼ不要 | 不要 |
| 使い過ぎリスク | あり | あり | 低い | 低い |
| 家族の把握 | × | ○ | △ | △ |
| ポイント還元 | ○ | ○ | △ | △ |
限度額はいくらにするか(低め設定の重要性)
クレジットカードを作る際、利用限度額の設定は非常に重要です。
高齢者向けカードの記事では、少額の利用枠で安全に利用を始めることが推奨されています。
推奨される限度額の考え方
- 毎月の固定費を計算する
- 公共料金:1〜2万円
- 通信費:5千円〜1万円
- その他定期支払い
- 日常の買い物予算を加える
- スーパー・コンビニ:2〜3万円
- 通販:1〜2万円
- 合計に余裕を持たせる
- 月3〜5万円程度から始める
公共料金・日常の買い物など、毎月の想定利用額から逆算して限度額を設定する視点が重要になります。
利用枠をあとから増額できるカードが多いため、まずは月3〜5万円程度から始め、問題がなければ段階的に見直す運用も取りやすいです。
家族カードやデビットカードを併用する場合は、各手段の利用範囲を事前に話し合い、役割分担しておくと混乱を防ぎやすくなります。
85歳におすすめのクレジットカード(例示・比較)
ここでは、85歳の方におすすめのクレジットカードのタイプを紹介します。具体的なカード選びの際は、各カード会社の最新情報を確認してください。
年会費無料・シンプル重視のカード
特徴:
- 年会費が永年無料
- ポイント還元率が高い
- 審査条件が比較的柔軟
代表例:楽天カード
楽天カードは「18歳以上で上限年齢なし」「年金受給者にもおすすめ」と公式に案内されており、80代でも申し込み可能と説明されています。年会費無料・年金受給者歓迎と明記・80代の通過事例があると紹介されています。
通販利用が多い高齢者にとってはポイント還元が高く、家族がサポートしやすいのもメリットになります。
こんな人におすすめ:
- 維持コストをかけたくない
- ネット通販を家族と一緒に使う
- シンプルで分かりやすいカードが良い
セキュリティ・補償が手厚いカード
特徴
- ナンバーレスカードでセキュリティが高い
- 利用通知がスマホに届く
- 不正利用補償が充実
代表例:三井住友カード
三井住友カード系は、オンライン明細・アプリ通知・ナンバーレスデザインなど、不正利用対策機能を前面に出しており、高齢者向け記事でもしばしば推奨されています。ナンバーレス仕様・アプリ通知などで不正利用に気付きやすいと解説されています。
即時通知・利用制限設定など、不正利用リスクの高い高齢者にとって重要な機能を重視する必要があります。
こんな人におすすめ
- 不正利用が心配
- オンライン決済をよく使う
- 家族が利用状況をチェックしたい
シニア特典・旅行優待があるカード
特徴
- 高齢者向けの割引や優待
- 旅行関連の特典が充実
- シニア限定のサービス
代表例:大人の休日倶楽部カード
JR東日本の「大人の休日倶楽部ジパングカード」は65歳以上限定で、JR東日本・JR北海道のきっぷが何度でも30%オフになるなど、シニア特典が充実しています。
シニア向け優待やJR関連の「大人の休日倶楽部」など、高齢者を主な対象としたカードも紹介されています。旅行割引・優待が多いカードは、まだアクティブに旅行を楽しみたいシニア層に向きます。
鉄道旅行や温泉旅が趣味のシニア層にとっては、単なる決済手段を超えた「ライフスタイルカード」として機能します。
こんな人におすすめ
- 旅行が趣味
- 鉄道をよく利用する
- シニア向けの優待を活用したい
おすすめカードタイプ比較表
| タイプ | 年会費 | セキュリティ | 特典 | 審査難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 年会費無料・シンプル | 無料 | 標準 | ポイント還元 | 比較的易しい |
| セキュリティ重視 | 無料〜有料 | 高い | 補償充実 | 標準 |
| シニア特典・旅行 | 有料が多い | 標準 | 旅行割引・優待 | 標準 |
85歳がクレジットカードの審査に通るためのコツ
申込時に気をつけるポイント
審査に通りやすくするためには、以下の点に注意しましょう。
1. 正確な情報を申告する
年金額や他社借入などを正確に申告し、虚偽や過少申告をしないことが前提条件となります。
- 年金額は正確に記入
- 他社借入は隠さず申告
- 住所・電話番号は間違いなく
- 家族構成も正しく
収入を多く見せようと虚偽記入すると審査落ちの原因になるだけでなく、発覚時に強制解約などのリスクもあります。
2. 一度に複数社に申し込まない
一度に複数社へ申し込まず、1社ずつ時間を空けて申し込むことが信用情報への悪影響を抑えるとされます。
短期間に複数枚のカードへ同時申し込みを行うと、信用情報上の「申込情報」が集中し、審査上マイナス要因と見なされることがあります。
推奨される申込ペース
- 1社の結果を待ってから次へ
- 最低でも1〜2ヶ月は間隔を空ける
- 3ヶ月以内に3枚以上の申込は避ける
85歳の場合は特に、一社ごとの結果を確認しながら、数週間〜数か月の間隔を空けて申し込む慎重なスタイルが安心です。
3. 必要書類を完璧に準備する
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 収入証明書(年金証書、源泉徴収票など)
- 銀行口座情報
審査通過しやすい申込パターン
審査に通りやすくするための戦略的なアプローチもあります。
1. 取引実績のある金融機関のカードを選ぶ
公共料金や年金振込口座が長く続いている金融機関系カードは、実績面で評価されやすいと説明する記事もあります。
例えば
- 給与・年金振込で使っている銀行のカード
- 公共料金引き落としをしている銀行のカード
- 長年口座を持っている銀行のカード
給与・年金振込や公共料金引き落としを10年以上継続している銀行グループのカードは、実際の取引履歴を踏まえた審査が期待できます。
2. 流通系カードから始める
長年同じ流通グループ(スーパー・百貨店)を利用している場合、その系列カードは会員情報や購買データをもとに審査されるため、一定の信頼が得られやすいとされます。
- よく行くスーパーのカード
- 会員になっている百貨店のカード
- ポイントカードを持っている店のカード
長年使っている銀行・流通系の提携カードなど、すでに取引関係のある会社から申し込む方法も有効とされます。
3. 既存カードのグループ内で申し込む
すでに何らかのカードを持っている場合は、まずは「利用額増枠」や「同一グループの別ブランドカード」など、関係のある会社から検討するのが現実的です。
詐欺・不正利用から85歳を守るための安全な使い方
高齢者に多いトラブル事例
高齢者を狙った詐欺は年々巧妙化しています。具体的なトラブル事例を知っておくことが、被害防止の第一歩です。
1. フィッシング詐欺
スマホに届いたSMSから偽サイトへ誘導され、IDやパスワードを入力してしまうフィッシング被害が、高齢者にも広がっていると報告されています。
典型的な手口
- 「カードの不正利用を検知しました」というSMS
- 「本人確認が必要です」という偽メール
- 銀行や カード会社を装った偽サイトへの誘導
2. 電話詐欺(キャッシュカード詐欺盗)
警察庁は、電話やSMSを使った「キャッシュカード詐欺盗」や「還付金詐欺」など、高齢者を標的とした特殊詐欺が高水準で推移していると公表しています。
- 警察官や銀行協会職員を名乗る
- 「カードが不正利用されている」と嘘をつく
- 自宅を訪問してカードをすり替える
3. オンライン決済の不正利用
インターネットバンキングやクレジットカード不正利用被害額は近年高水準で、被害総額も増加傾向とされています。
オンライン決済では、クレジットカード番号の盗用による不正利用被害額が近年急増し、特殊詐欺被害額を上回る水準との分析もあります。
ネットショッピングやサブスク契約に不慣れな高齢者ほど、偽サイト入力やワンクリック詐欺の被害を受けやすい点に注意が必要です。
家族ができる見守り・サポート
高齢者のクレジットカード利用を安全にするためには、家族のサポートが不可欠です。
1. 利用明細の定期チェック
利用明細やアプリ通知を家族と共有し、異常な利用がないか定期的にチェックすることが有効だとされます。
具体的な方法
- Web明細を家族のメールアドレスにも送信
- 月1回、家族で明細を確認する時間を作る
- 利用通知アプリを家族のスマホにも設定
Web明細・利用通知メールを家族のアドレスにも転送する、家族のスマホでカードアプリを一緒に管理するなど、実務的な工夫が有効です。
2. 緊急時の対応手順を共有
暗証番号やパスワードの共有は慎重に判断しつつ、緊急時の連絡先やカード停止手順は、家族全員が把握しておくことが望ましいとされています。
準備しておくべき情報
- カード会社の緊急連絡先
- カードの紛失・盗難時の停止方法
- 不正利用を見つけた際の連絡先
- カード番号と有効期限(安全な場所に保管)
3. 詐欺対策のルール作り
フィッシングメールや不審な電話が来た場合は、即答せず「公式電話番号に折り返す」「家族に必ず相談する」というルールを事前に決めておくと安心度が高まります。
家族で決めておくルール
- 電話で個人情報を聞かれたら即座に切る
- SMSのリンクは絶対にクリックしない
- カード番号を電話で伝えることは絶対にしない
- 怪しいと思ったら家族に相談する
それでも不安な場合の代替手段
「クレジットカードはやはり不安」という方のために、代替手段も紹介します。
デビットカード・プリペイドカード・電子マネーの活用
1. デビットカード
即時引き落とし型のデビットカードは、口座残高以上は使えない仕組みのため、高齢者向け決済手段として多数の記事で紹介されています。
メリット
- 口座残高以上は使えない(使い過ぎ防止)
- 審査がほぼ不要
- クレジットカードのように後払いで借金が膨らむリスクがない
- VISAデビットなど国際ブランド付きならオンライン決済にも使える
2. プリペイドカード
チャージした分だけ使えるプリペイドカードや交通系ICカード(Suica等)は、利用上限額を自らコントロールしやすく、不正時の被害額も限定されます。
メリット
- チャージした金額以上は使えない
- 審査不要
- 紛失・盗難時の被害が限定的
- 家族がチャージ額を管理できる
家族が定期的にチャージ額を調整することで、使い過ぎ防止と生活費サポートを両立させる運用も考えられます。
3. 電子マネー
- 交通系IC(Suica、PASMOなど)
- 流通系電子マネー(WAON、nanacoなど)
- スマホ決済(PayPay、楽天Payなど)
現金+口座振替+少額カードの組み合わせという選択
全てをクレジットカードにする必要はありません。用途に応じて決済手段を使い分けることで、リスクを最小化できます。
推奨される組み合わせ
| 用途 | 推奨決済手段 | 理由 |
|---|---|---|
| 公共料金・税金 | 口座振替・クレジットカード | 払い忘れ防止 |
| 日常の少額決済 | 現金・デビットカード | 使い過ぎ防止 |
| 通販 | クレジットカード(低限度額) | 利便性と安全性のバランス |
| 定期支払い | クレジットカード | 自動決済で便利 |
税金や公共料金は口座振替・クレジットカード払いを組み合わせることで、納め忘れや支払い忘れを防げるとされます。日常の少額決済は現金やデビット、通販や定期支払いのみをクレジットカードに限定するなど、用途を分けることでリスクを抑えられます。
まとめとしての「85歳のクレジットカードとの付き合い方」
85歳でもクレジットカードを作ることは十分に可能です。年齢よりも「年金などの安定収入」と「過去の支払い実績」が重視されるため、条件を満たせば審査に通る可能性は高いといえます。
この記事の重要ポイント
- 年齢制限は実質的にない
- 多くのカードは上限年齢を設けていない
- 80代・90代での発行事例も多数ある
- 審査で重視されるのは年齢よりも信用情報
- 年金は安定収入として評価される
- 延滞履歴や借入状況が重要
- 家族のサポート環境も考慮される
- メリットとデメリットを理解する
- メリット:支出管理、ポイント還元、外出負担軽減
- デメリット:使い過ぎ、不正利用、判断力低下のリスク
- 安全対策が不可欠
- 家族による見守り
- 利用明細の定期チェック
- 詐欺対策のルール作り
- 代替手段も検討する
- 家族カード
- デビットカード
- プリペイドカード
- 用途別の使い分け
高齢であっても、条件を整え安全対策を講じれば、クレジットカードは家計管理と生活の利便性向上に役立つ決済手段となります。
ただし、本人と家族の状況を踏まえ、クレジットカード・家族カード・デビットカードなど複数の選択肢を比較し、無理のない範囲で利用する姿勢が重要になります。
オンライン明細と家族による見守りを組み合わせれば、不正利用や使い過ぎリスクも一定程度コントロールできます。
一方で、認知機能の低下や詐欺被害への不安が強い場合は、家族カード・デビットカード・プリペイドカードなども併用し、「あえてクレジットカードを増やさない」という選択肢も十分現実的です。
**最終的に大切なのは、本人と家族の状況に合わせて、85歳でも無理なく・安全に利用できる範囲を決めることです。**クレジットカードは便利なツールですが、万能ではありません。自分や家族の状況をよく見極めて、最適な選択をしてください。
この記事が、85歳でクレジットカードを検討している方、またはご家族の方の参考になれば幸いです。