クレジットカードの加盟店規約違反とは|禁止されている行為と通報先を規約・割賦販売法で確認

お店の人とクレジットカード(加盟店規約違反の記事)

この記事の編集責任者
中井 聖(SaaS飯)
株式会社アップス 代表取締役社長

株式会社アップス 代表取締役社長。クレジットカード決済を含む決済ページと会員サイトを作れる販売基盤「Apps」を運営し、事業者がカード決済や継続課金を導入する現場に日々関わっています(Appsの累計流通総額は2026年2月に100億円)。Appsクレカナビの運営責任者・編集責任者として記事の企画と確認を担当。監修の範囲と手順は監修者ページに記載しています。

監修:中井 聖(2026年9月26日に確認:三井住友カード加盟店規約(第7条・第8条)、JCB FAQ 390・391、経済産業省のクレジットカード加盟店契約に関するガイドライン(加盟店調査)、日本クレジット協会の加盟店向け案内(割賦販売法の義務・セキュリティガイドライン)と加盟店情報交換制度、消費者庁の消費者ホットラインで確認)

「カード払いは手数料3%」「1万円以上でないとカードは使えない」「夜はカード不可」。こうした店側の扱いは、店とカード会社が結ぶ加盟店規約(加盟店契約)で禁止されている行為です。三井住友カードの加盟店規約は、有効なカードを提示した会員に対して手数料の上乗せなど現金客と異なる代金を請求すること、カードの円滑な使用を妨げる制限を加えること、正当な理由なく信用販売を拒絶して現金払いを要求することを禁じています。JCBも、金額・時間帯によるカード取り扱いの制限と手数料の上乗せを契約で禁止し、確認すれば加盟店に是正指導すると案内しています。この記事では、規約で禁止されている行為、割賦販売法で加盟店に課された義務、消費者が通報・相談する先を、公開されている規約と公式FAQ、経済産業省と日本クレジット協会の資料で確認してまとめます。

この記事の内容は、2026年9月26日に三井住友カードの加盟店規約(公開PDF)、JCBの公式FAQ、経済産業省の「クレジットカード加盟店契約に関するガイドライン」、日本クレジット協会の加盟店向け案内と加盟店情報交換制度の説明、消費者庁の消費者ホットラインの案内で編集部が確認しました。カード会社ごとに規約の条文は違いますが、禁止事項の趣旨は共通です。

先に結論:規約で禁止されている店側の行為

店側の行為規約・FAQの記載
カード払いに手数料を上乗せする、現金客と違う代金を請求する三井住友カード加盟店規約:「手数料等を上乗せする等現金客と異なる代金の請求」をしない。JCB FAQ:加盟店との契約で手数料の上乗せを禁止、確認すれば是正指導
「○円以上でないとカード不可」「この時間はカード不可」JCB FAQ:カード取り扱いの金額・時間帯に制限を設けることは契約で禁止。三井住友カード加盟店規約:カードの円滑な使用を妨げる制限を加えない
正当な理由なくカード払いを断り、現金払いを求める(税金・送料分だけ現金を要求するのも含む)三井住友カード加盟店規約:正当な理由なく信用販売を拒絶し、代金の全額または一部(税金、送料等を含む)に対して直接現金支払いを要求する等の差別的取扱いをしない
カード番号を安全に扱わない、不正利用対策をしない割賦販売法(2018年6月1日施行):加盟店にカード番号等の適切な管理と不正利用対策を義務付け。実務指針はクレジットカード・セキュリティガイドライン(日本クレジット協会)

海外は例外があります。JCBは、海外の加盟店については国や地域が手数料(サーチャージ)の加算を認めている場合があり、是正指導を禁じている国や地域もあると案内しています。

規約の条文はこう書いてある(三井住友カードの例)

三井住友カードが公開している加盟店規約の第7条は、「加盟店は、有効なカードを提示した会員に対して、商品の販売代金ならびにサービス提供代金について手数料等を上乗せする等現金客と異なる代金の請求をすること、およびカードの円滑な使用を妨げる何らの制限をも加えないものとします。また正当な理由なくして信用販売を拒絶し、代金の全額または一部(税金、送料等を含む)に対して直接現金支払いを要求する等、会員に対して差別的取扱いは行わないものとします」と定めています。第8条では、カードの名義・提示者の性別・発行会社・会員番号などに整合しない点がある場合や提示方法に不審がある場合に、加盟店がカード会社へ通報する義務も定めています。規約の相手はカード会社なので、違反したときに店を指導・契約解除するのもカード会社です。

法律が加盟店とカード会社に求めていること

  • 加盟店の義務(割賦販売法)。日本クレジット協会の案内では、2018年6月1日に施行された割賦販売法で、カードを扱う加盟店にカード番号等の適切な管理と不正利用対策が義務付けられました。「クレジットカード・セキュリティガイドライン」に掲げる措置(またはそれと同等以上の措置)を講じていれば、法令上の「必要かつ適切な措置」とみなされます。
  • カード会社側の加盟店調査。経済産業省のガイドライン(2017年7月3日)は、割賦販売法第35条の17に基づき、カード会社(アクワイアラー)が苦情の発生状況などに照らして加盟店を調査すること、文書や口頭での報告、書類の提出、質問、施設への立ち入りなどの方法で調べること、是正・改善の計画を求めることを定めています。
  • 業界での情報共有。日本クレジット協会の加盟店情報交換制度(JDM)は、加盟店における利用者等の保護に欠ける行為に関する情報やカード番号等の管理に支障を及ぼす行為に関する情報を会員が報告・共同利用し、加盟店契約時と途上の審査の精度を上げて悪質な加盟店を排除するための仕組みです。

消費者が通報・相談する先

  1. 使ったカードのカード会社。加盟店規約の当事者はカード会社なので、違反の確認と是正指導はカード会社が行います(JCBのFAQ)。店名・日時・金額・言われた内容を伝えます。レシートや明細があれば記録として役立ちます。
  2. 消費者ホットライン「188」。消費者庁の案内どおり、身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を紹介してもらえます。店との間で返金などの交渉がこじれたときの相談先です。
  3. 日本クレジット協会の相談窓口。協会はクレジットに関する相談窓口を案内しています。カード会社の対応に納得できないときの相談先の1つです。

手数料を上乗せされたときにその場でできることは手数料の上乗せの記事に、商品に問題があるときにカード会社へ支払いの停止を申し出る手続きはクーリング・オフと支払停止の抗弁の記事にまとめています。

規約違反ではないもの

  • 店がそもそもカードを扱っていない。加盟店になるかどうかは店の自由で、現金のみの店は規約違反ではありません。
  • 特定のブランドが使えない。店が契約しているブランド(Visa、Mastercard、JCBなど)以外のカードは使えません。店頭のブランドマークで確認します。
  • 不審な取引としてカードの利用を断られた。加盟店規約は、名義や提示方法に不審がある場合の通報を加盟店に求めています。カードが使えないときの原因の切り分けは利用承認が得られていませんの記事を見てください。

よくある質問

「Visaの規約違反」と「JCBの規約違反」は別ですか

加盟店が契約しているのは国際ブランドではなく、カード会社(加盟店管理会社)です。三井住友カードのように複数の国際ブランドを扱うカード会社の規約は、ブランドを問わず同じ禁止事項を定めています。通報先は、自分が使ったカードのカード会社です。

通報すると店に何が起こりますか

JCBは加盟店に事実確認のうえ是正指導をすると案内しています。経済産業省のガイドラインでは、カード会社は苦情の状況に応じて調査し、改善計画の策定と実施を求めることができ、改善されない場合は契約の解除もあり得ます。通報した人に結果が個別に知らされるとは限りません。

確認した情報源(2026年9月26日)