クレジットカード払いのクーリング・オフ|対象の取引と期間、通知の方法、カード会社への支払停止の申し出

書類を前に立つ年配の人(カード払いのクーリング・オフの記事)

この記事の編集責任者
中井 聖(SaaS飯)
株式会社アップス 代表取締役社長

株式会社アップス 代表取締役社長。クレジットカード決済を含む決済ページと会員サイトを作れる販売基盤「Apps」を運営し、事業者がカード決済や継続課金を導入する現場に日々関わっています(Appsの累計流通総額は2026年2月に100億円)。Appsクレカナビの運営責任者・編集責任者として記事の企画と確認を担当。監修の範囲と手順は監修者ページに記載しています。

監修:中井 聖(2026年9月26日に確認:国民生活センター(クーリング・オフの制度・対象取引と期間・起算日・電磁的記録での通知・通信販売の扱い・見守り新鮮情報)、日本クレジット協会(支払停止等の抗弁の事由・できない場合・手順・相談窓口)、消費者庁(消費者ホットライン188)で確認)

クーリング・オフは、訪問販売や電話勧誘販売などで契約した場合に、一定期間なら無条件で申し込みの撤回や契約の解除ができる制度です。クレジットカードで払ったかどうかで可否は変わりませんが、カード払いのときは「販売業者へのクーリング・オフの通知」と「カード会社への支払いの扱い」の2つを進める必要があります。この記事では、国民生活センターと日本クレジット協会の案内をもとに、対象になる取引と期間、通知の方法、カード会社への支払停止の申し出(支払停止の抗弁)をまとめます。

この記事の内容は、2026年9月26日に国民生活センターのクーリング・オフの解説と見守り情報、日本クレジット協会の「支払停止等の抗弁に関する手続きについて」(2025年5月)と相談窓口の案内で編集部が確認しました。個別の契約が対象になるかは、契約書面の内容で判断が変わるので、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談してください。

先に結論:対象になる取引と期間

取引(特定商取引法)クーリング・オフ期間
訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールスを含む)8日間
電話勧誘販売8日間
特定継続的役務提供(エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス)8日間
訪問購入(業者が自宅などを訪ねて商品を買い取るもの)8日間
連鎖販売取引20日間
業務提供誘引販売取引(内職商法、モニター商法など)20日間
通信販売(ネット通販・カタログ通販)制度なし(返品特約に従う。特約がなければ商品を受け取った日を含めて8日以内に返品可、返品費用は消費者負担)

期間は「申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日」から数えます。書面の記載に不備があるときは、期間を過ぎていてもクーリング・オフできる場合があります。国民生活センターは、上の取引でも条件によってはクーリング・オフできない場合があること、金融商品や宅地建物の契約などにもクーリング・オフできる取引があることも案内しています。

クレジットカードで払った場合も、対象かどうかを決めるのは「どういう売り方の契約か」です。店頭で自分から買った商品やネット通販は、カード払いでも現金払いでもクーリング・オフの対象ではありません。

通知の方法:書面か電磁的記録で、期間内に出す

  1. クーリング・オフの通知は、書面(はがき可)または電磁的記録で行います。2022年6月1日から、電子メール、USBメモリなどの記録媒体、事業者がウェブサイトに設けるクーリング・オフ専用フォーム、FAXでも通知できるようになりました(国民生活センター)。
  2. 書面や電磁的記録には、事業者が契約を特定できる情報(契約年月日、契約者名、購入した商品名など)を書きます。
  3. 出した記録を残します。はがきなら両面のコピーを取り、特定記録郵便や簡易書留で送る、メールなら送信済みメールを保存する、といった方法です。
  4. クレジット払いの契約なら、販売業者だけでなくカード会社(信販会社)にも同じ内容を通知します。次の「支払停止の抗弁」につながります。

カード払いのとき:カード会社への「支払停止の抗弁」

日本クレジット協会の案内では、購入した商品・役務に次のような問題があるとき、クレジット会社からの代金請求に対して支払いを停止できる場合があります。①商品の引渡しや役務の提供をしてくれない、②商品に欠陥(契約内容に適合しない)があるのに対応してくれない、③役務の提供内容に問題がある、④見本・カタログ等と現物・役務内容が違う、⑤商品の販売条件となっている役務を提供してくれない、⑥その他契約内容等に問題がある、の6つです。

ただし、次のいずれかに当たると支払いは停止できません。クレジット契約が割賦販売法の適用を受けないとき、商品の購入が営業のためのものであるとき(業務提供誘引販売個人契約・連鎖販売個人契約を除く)、現金販売価格に分割払い手数料を加えた総額が4万円未満のとき(リボ払いは現金販売価格3万8千円未満)、支払いの停止が信義に反するときです。1回払いなど割賦販売法の適用を受けない支払い方は対象外になり得るので、適用の有無はカード会社に確認してください。

手順も協会が示しています。まず取扱店(販売業者)に連絡して、商品の引渡し、修理・交換、サービスの提供などの解決を交渉する。連絡が取れない、または解決しないときは、購入時に利用したクレジット会社に申し出る。クレジット会社は支払停止事由に当たる場合、代金の請求の停止など必要な手続きを行う、という流れです。申し出のときは契約書やクーリング・オフの通知の控え、業者とのやり取りの記録を用意します。

よくあるつまずき

  • ネット通販で「クーリング・オフしたい」。国民生活センターの見守り情報のとおり、通信販売にクーリング・オフの適用はありません。返品は事業者の返品特約に従い、特約の表示がなければ商品到着日を含め8日以内に返品できます(送料は消費者負担)。
  • 「クーリング・オフはできない」と業者に言われた。国民生活センターは、事業者がクーリング・オフできないと言ったり脅したりしてできなかった場合、所定の期間を過ぎてもクーリング・オフできると案内しています。消費生活センターに相談してください。
  • カードの請求が来てしまった。クーリング・オフの通知を出していても、カード会社への申し出をしていないと請求は止まりません。販売業者への通知とカード会社への支払停止の申し出は別の手続きです。
  • 商品が届かない。日本クレジット協会は、クレジットで購入した商品が届かない場合の相談窓口を案内しています。まず販売業者、次にカード会社、それでも解決しなければ消費生活センターです。

よくある質問

クーリング・オフの通知は電話でもいいですか

制度上の通知は書面か電磁的記録です。電話だけでは証拠が残らないので、はがき・メール・FAX・事業者の専用フォームのいずれかで出し、控えを残してください。

8日目が土日でも期限は延びませんか

期間は書面を受け取った日から数えるので、曜日で延びる仕組みは案内されていません。期限が近いなら、その日のうちに電磁的記録で通知するのが確実です。

店で手数料を上乗せされた場合も同じ相談先ですか

相談先は同じ消費生活センターですが、扱いは別で、加盟店の規約違反としてカード会社に申し出る問題です。手数料の上乗せの記事にまとめています。カードが使えないときの原因は利用承認が得られていませんの記事を見てください。

確認した情報源(2026年9月26日)