キャッシュレス決済の普及に伴い、小規模店舗でもクレジットカード決済の導入が必須となっています。しかし、多くの選択肢の中からどの端末を選べばよいか迷っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、小規模店舗に最適なクレジットカード端末を徹底比較し、コスト面や機能面から見たおすすめの5選をご紹介します。初期費用を抑えたい方、多機能な端末を求める方、持ち運びが必要な方など、様々なニーズに合わせた選び方のポイントも解説します。
1. クレジットカード端末の基本知識
クレジットカード端末とは
クレジットカード端末(CAT端末)とは、クレジットカードやデビットカードによる支払いを受け付けるための電子端末です。CAT端末(Credit Authorization Terminal=信用照会端末)とも呼ばれ、端末上で読み取ったカード情報の照会や決済処理を行います。
クレジットカード端末の主な機能は以下の通りです。
- カード情報の読み取り:ICチップ、磁気ストライプ、タッチ決済など、様々な方法でカード情報を読み取ります
- 決済処理:カード会社と連携して、リアルタイムで決済の承認や拒否を行います
- セキュリティ確保:カード情報の暗号化や安全な通信プロトコルを用いてセキュリティを確保します
近年では、電子マネー決済やQRコード決済など、カード決済以外のキャッシュレス決済にも対応した多機能な端末も増えています。
クレジットカード端末の種類と特徴
クレジットカード端末は大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴を把握して、自店舗に最適なタイプを選びましょう。
オールインワン型
オールインワン型の決済端末は、1台で多機能な決済処理が可能な端末です。
特徴
- レシートプリンターが内蔵されているため、別途プリンターを購入する必要がない
- クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など多様な決済方法に対応
- 据え置きタイプとポータブルタイプがある
- 機能が充実している分、端末代金や月額費用が高めの傾向がある
モバイルカードリーダー型
モバイルカードリーダー型は、スマートフォンやタブレットと連携して使用する小型の決済端末です。
特徴
- 端末料金が安く、月額費用がかからないサービスが多い
- スマホやタブレットとBluetoothで接続して使用する
- レシート印刷には別途プリンターの購入が必要
- イベント出店時など持ち運びに便利
スマホ決済型
スマホ自体を決済端末として使用するタイプです。
特徴
- 月額利用料なしで利用できるサービスが多い
- スマホの通信回線を利用するため外出先でも決済受付が可能
- 決済端末を購入する必要がないため導入が早い
- 機能性はシンプルで、対応できる決済方法が限られる場合がある
2. クレジットカード端末選びで重視すべきポイント
導入費用と月額費用
クレジットカード端末を選ぶ際に最も気になるのが費用面です。主に以下の費用が発生します。
初期費用(端末代)
- 据え置き型:1〜5万円程度
- モバイル型:数万円程度
- 無料キャンペーンを実施している会社も多い
月額費用
- 3,000〜8,000円前後が相場
- 無料のサービスもあるが、決済手数料が高めに設定されている場合がある
小規模店舗の場合は、初期投資を抑えたいケースが多いため、初期費用無料・月額費用無料のサービスを選ぶのも一つの方法です。ただし、その場合は決済手数料が高くなる傾向があるため、予想される決済額と照らし合わせて総合的に判断しましょう。
決済手数料の比較
クレジットカード決済を導入する際、長期的に最も影響するのが決済手数料です。
決済手数料の相場
- クレジットカード:2.5%〜5%
- 電子マネー:3%〜4%
- QRコード決済:1.98%〜3.25%
小規模店舗の場合、取引数が少ないと手数料率が高くなる傾向があります。場合によっては10%近くになることもあるため、事前に確認が必要です。
また、VISAやMastercardとJCBなど、カードブランドによって手数料率が異なるサービスもあります。自店舗でよく使われるカードブランドの手数料率を特に確認しておくとよいでしょう。
入金サイクルの速さ
売上金の入金サイクルも重要なポイントです。小規模店舗の場合はキャッシュフローの安定のために、入金スピード・回数は早い方が望ましいでしょう。
入金サイクルの例
- 最短翌日入金(Square)
- 5日に1回(stera pack)
- 月2回(PAYGATE)
入金サイクルが早いほど資金繰りが楽になりますが、振込手数料が発生する場合もあるため、その点も確認しておきましょう。
対応決済ブランド
端末が対応している決済ブランドの種類も重要な選択ポイントです。
主要な決済ブランド
- クレジットカード:VISA、Mastercard、JCB、AMEX、Diners、Discover
- 電子マネー:Suica、PASMO、iD、QUICPay
- QRコード決済:PayPay、LINE Pay、d払い、楽天ペイ
お客様の利便性を考えると、できるだけ多くの決済ブランドに対応している端末を選ぶことが理想的です。特に訪日外国人の利用が多い店舗では、海外発行のクレジットカードや中国の銀聯カードなどにも対応しているかを確認しておくとよいでしょう。
持ち運びの可否
店舗の形態によっては、端末の持ち運びが必要な場合もあります。
据え置き型の特徴
- レジに接続して使用する(LAN接続かWi-Fi接続)
- 店舗の外へ持ち運びができない
- 安全性が高い
ポータブル型の特徴
- 4G回線やWi-Fiで接続するため持ち運びが可能
- イベントやテーブル会計に最適
- バッテリー管理が必要
カフェやレストランなどテーブル会計が必要な店舗や、イベント出店を行う店舗ではポータブル型が便利です。一方、固定店舗のみで営業する場合は、安定性の高い据え置き型が適しています。
3. 小規模店におすすめのクレジットカード端末ランキング
ここでは、小規模店舗におすすめのクレジットカード端末を5つ紹介します。コスト、機能性、使いやすさなどを総合的に評価してランキング形式でご紹介します。
第1位:Square ターミナル
Square ターミナルは、オールインワン型の決済端末で、小規模店舗に最適な機能と料金体系を備えています。
特徴
- 持ち運び可能なコードレスタイプ
- Wi-Fi/イーサネット接続に対応
- レシートプリンター内蔵
- スクエアPOSレジやエアレジと連携可能
- 24種類の決済方法に対応
費用
- 初期費用:0円(キャンペーンで端末代全額キャッシュバックの可能性あり)
- 月額費用:0円
- 決済手数料:クレジットカード2.5%、その他の決済ブランド3.25%
入金サイクル:最短翌日入金、振込手数料無料
Square ターミナルは初期費用・月額費用が無料で、決済手数料も比較的低めに設定されています。また、入金サイクルが最短翌日と早いため、キャッシュフローを重視する小規模店舗に最適です。
第2位:PAYGATE (ペイゲート)
PAYGATEは、多機能なオールインワン端末で、約30種類の決済方法に対応しています。
特徴
- コードレスで持ち運び可能
- 4G回線/Wi-Fi/Bluetooth接続に対応
- スマレジと連携可能
- 29種類の決済方法に対応
- プリンターやカメラ内蔵
費用
- 初期費用:39,600円(税込)(キャンペーン中は0円)
- 月額費用:3,300円(税込)
- 決済手数料:クレジットカード2.90%、電子マネー3.24%、QRコード決済2.00%〜
入金サイクル:月2回、振込手数料110円
PAYGATEは多機能な端末ですが、月額費用がかかるため、ある程度の決済量がある店舗に向いています。多様な決済方法に対応しているため、様々な支払い方法を提供したい店舗におすすめです。
第3位:JMSおまかせサービス
JMSおまかせサービスは、選べる端末タイプと低コストが魅力の決済サービスです。
特徴
- 3種類のタイプから選択可能(ワイヤレスWi-Fi、ワイヤレスLTE、据え置き有線LAN)
- スマレジやPOS+(ポスタス)と連携可能(ワイヤレスタイプのみ)
- 71種類の決済方法に対応
- 初期費用・月額費用が0円
費用
- 初期費用:0円
- 月額費用:0円(LTE端末のみSIMカード利用料月額693円(税込))
- 決済手数料:一律3.24%
入金サイクル:基本2回/月(状況により3回/月も可能)
JMSおまかせサービスは初期費用・月額費用が無料で、決済手数料も一律なので分かりやすいのが特徴です。また、71種類もの決済方法に対応しているため、様々な客層に対応できます。
第4位:stera pack
stera packは、多様なプランから選べる柔軟性が魅力の決済端末です。
特徴
- 据え置きタイプの端末(電源接続必須)
- Wi-Fi接続(光回線の有線LAN推奨)
- ポスタス、ビジコム、ステラマーケットのPOSレジアプリと連携可能
- 30種類以上の決済方法に対応
費用
- 初期費用:0円
- 月額費用:3,300円(税込)(お試しプランなら1年間月額0円)
- 決済手数料:プランにより異なる
- スタンダードプラン:VISAとMastercard 2.70%、その他3.24%
- スモールビジネスプラン:VISAとMastercard 1.98%、JCB等 2.48%、その他3.24%
- お試しプラン:一律3.24%
入金サイクル:最短5日で入金、振込手数料0円〜
stera packは、決済量や利用するカードブランドに応じて最適なプランを選べるのが特徴です。特にVISAやMastercardの利用が多い店舗では、スモールビジネスプランの低手数料率が魅力的です。
第5位:Square リーダー
Square リーダーは、低コストで導入できるモバイルカードリーダー型の決済端末です。
特徴
- スマホやタブレットと連携して使用
- コンパクトで持ち運びに便利
- 初期費用・月額費用が無料
- 導入が簡単で最短当日から利用可能
費用
- 初期費用:0円
- 月額費用:0円
- 決済手数料:2.50〜3.25%
入金サイクル:最短翌日入金、振込手数料無料
Square リーダーは、初期投資を最小限に抑えたい小規模店舗や、開業したばかりの店舗におすすめです。スマホやタブレットがあれば簡単に導入でき、持ち運びも便利です。
4. 目的別おすすめクレジットカード端末
店舗の状況や優先したいポイントによって、最適なクレジットカード端末は異なります。ここでは目的別におすすめの端末をご紹介します。
コスト重視の方におすすめ
初期費用や月額費用を抑えたい方には、以下の端末がおすすめです。
Square リーダー
- 初期費用:0円
- 月額費用:0円
- 決済手数料:2.50〜3.25%
JMSおまかせサービス
- 初期費用:0円
- 月額費用:0円(LTE端末のみSIMカード利用料月額693円(税込))
- 決済手数料:一律3.24%
コスト重視の場合は、初期費用と月額費用が0円の端末を選ぶことが重要です。ただし、決済手数料が若干高めに設定されている場合が多いため、月間の決済額が多い店舗では、初期費用や月額費用がかかっても決済手数料が低い端末の方がトータルコストで有利になることもあります。
コスト比較の例(月間決済額50万円の場合)
端末名 | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料率 | 月間手数料 | 年間総コスト |
---|---|---|---|---|---|
Square リーダー | 0円 | 0円 | 3.25% | 16,250円 | 195,000円 |
stera pack(スモールビジネスプラン) | 0円 | 3,300円 | 1.98% | 9,900円 | 158,400円 |
上記の例では、月間決済額が50万円の場合、初期費用と月額費用がかかるstera packの方が年間総コストで約36,600円お得になります。自店舗の予想決済額に基づいて計算することをおすすめします。
機能性重視の方におすすめ
多機能な端末を求める方には、以下の端末がおすすめです。
PAYGATE (ペイゲート)
- 29種類の決済方法に対応
- プリンター内蔵で即時レシート発行可能
- カメラ内蔵でQRコード決済にも対応
- スマレジと連携可能
stera pack
- 30種類以上の決済方法に対応
- POSレジアプリと連携可能
- 複数の決済手数料プランから選択可能
- 豊富なデータ分析機能
機能性重視の場合は、対応決済ブランドの多さ、POSレジとの連携性、データ分析機能などをチェックポイントにすると良いでしょう。特に、POSレジと連携できる端末は、売上管理や在庫管理が効率化されるため、業務効率化を図りたい店舗におすすめです。
レジ周りをすっきりさせたい方におすすめ
限られたスペースでレジ周りをすっきりさせたい方には、以下の端末がおすすめです。
Square ターミナル
- オールインワン型でコンパクト
- レシートプリンター内蔵
- コードレスで設置場所を選ばない
PAYGATE (ペイゲート)
- コンパクトなオールインワン端末
- プリンター内蔵
- 据え置きでもモバイルでも使用可能
レジ周りをすっきりさせたい場合は、プリンターが内蔵されたオールインワン型の端末を選ぶと良いでしょう。また、ワイヤレス接続に対応した端末であれば、配線も少なくなるためスペースを有効活用できます。
持ち運びが必要な方におすすめ
イベント出店や店内でのテーブル会計など、持ち運びが必要な方には以下の端末がおすすめです。
Square リーダー
- 超コンパクトで持ち運びやすい
- スマホやタブレットと連携して使用
- バッテリー消費が少ない
PAYGATE (ペイゲート)
- コードレスで持ち運び可能
- 4G回線対応で外出先でも使用可能
- バッテリー持続時間が長い
持ち運びが必要な場合は、端末の重さやバッテリー持続時間、通信方式(Wi-FiまたはSIM通信)などをチェックポイントにすると良いでしょう。特に、イベント出店などで使用する場合は、Wi-Fi環境がない場所でも使用できるSIM通信対応の端末が便利です。
5. クレジットカード端末導入の流れ
クレジットカード端末の導入は、以下の手順で進めていきます。
申し込みから利用開始までの手順
1. サービスの選定
- 複数のサービスを比較検討し、自店舗に最適なサービスを選びます
- 初期費用、月額費用、決済手数料、対応決済ブランドなどを確認しましょう
2. 申し込み
- 選定したサービスの公式サイトやセールスに連絡して申し込みます
- オンライン申し込みが可能なサービスも増えています
3. 審査
- 加盟店審査が行われます(1週間〜1ヶ月程度)
- 審査基準はサービスによって異なりますが、基本的には事業の実態があれば問題ありません
4. 端末の受け取り
- 審査通過後、端末が発送されます
- 訪問設置サービスがある場合は、設置日の調整を行います
5. 設定・セットアップ
- 端末の初期設定を行います
- POSレジとの連携設定も必要に応じて行います
6. 利用開始
- テスト決済を行い、問題なければ実際の運用を開始します
導入までの期間は、サービスによって異なりますが、最短で申し込みから1週間程度、通常は2〜4週間程度かかります。余裕を持ったスケジュールで導入を進めることをおすすめします。
必要な書類と準備
クレジットカード端末を導入する際に必要な書類は、サービスによって異なりますが、一般的には以下のものが必要です。
法人の場合
- 登記簿謄本(発行から3ヶ月以内のもの)
- 代表者の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 店舗の外観・内観写真
- 取扱商材の写真やカタログ
- 銀行口座情報(振込先口座)
個人事業主の場合
- 開業届の写し
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 店舗の外観・内観写真
- 取扱商材の写真やカタログ
- 銀行口座情報(振込先口座)
また、端末の設置に向けて以下の準備も必要です。
設置環境の準備
- 電源の確保
- インターネット環境の整備(Wi-FiまたはLAN)
- 端末設置スペースの確保
事前に必要書類を揃え、設置環境を整えておくことで、スムーズな導入が可能になります。
設置・セットアップ方法
端末の設置・セットアップ方法は、端末のタイプによって異なります。
据え置き型端末の場合
- 端末を電源に接続する
- LANケーブルまたはWi-Fiで通信環境に接続する
- 初期設定画面の指示に従って設定を行う
- POSレジと連携する場合は、連携設定を行う
- テスト決済を行い、正常に動作するか確認する
モバイル型端末の場合
- 専用アプリをスマートフォンやタブレットにインストールする
- アプリを起動し、アカウント登録・ログインを行う
- 端末とスマートフォン・タブレットをBluetoothで接続する
- 初期設定画面の指示に従って設定を行う
- テスト決済を行い、正常に動作するか確認する
多くのサービスでは、初期設定マニュアルや動画ガイドが提供されています。また、電話サポートやリモートサポートを利用することもできるため、設定に不安がある場合は積極的に活用しましょう。
6. クレジットカード端末に関するよくある質問
導入にかかる期間は?
クレジットカード端末の導入にかかる期間は、サービスや審査状況によって異なりますが、一般的には以下のようなスケジュールになります。
一般的な導入スケジュール
- 申し込み:1日
- 審査:1週間〜1ヶ月
- 端末発送・受け取り:3〜5営業日
- 設定・セットアップ:1日
- 合計:約2週間〜1ヶ月半
急ぎの場合は、Square リーダーなどのモバイル型端末を選ぶと、最短で申し込みから数日で利用開始できる場合もあります。また、審査をスムーズに進めるために、必要書類は事前に準備しておくことをおすすめします。
解約時の違約金はある?
解約時の違約金の有無は、サービスによって異なります。主なパターンは以下の通りです。
違約金が発生するケース
- 最低利用期間(1年〜3年)内の解約
- 端末代金の分割払いが完了していない状態での解約
- キャンペーンで無料提供された端末の返却がない場合
違約金が発生しないケース
- 最低利用期間経過後の解約
- 月額費用が発生しないサービス(Square リーダーなど)
契約前に必ず最低利用期間や解約条件を確認し、長期的な視点で選ぶことが重要です。特に、初期費用無料のキャンペーンを利用する場合は、最低利用期間内の解約で高額な違約金が発生することがあるため注意が必要です。
トラブル時のサポート体制は?
クレジットカード端末のトラブル時のサポート体制も、サービスによって異なります。主なサポート体制は以下の通りです。
サポート方法
- 電話サポート:営業時間内に電話で問い合わせ可能
- メールサポート:24時間受付、回答は翌営業日以降
- チャットサポート:リアルタイムでチャットによるサポート
- 訪問サポート:技術者が店舗を訪問して対応(有料の場合が多い)
サポート対応時間
- 平日9:00〜18:00のみ
- 平日・土日祝9:00〜18:00
- 24時間365日対応
飲食店など夜間や週末の営業が中心の店舗では、24時間対応のサポートがあるサービスを選ぶと安心です。また、トラブル時の代替機の提供があるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
複数店舗での利用は可能?
複数店舗でのクレジットカード端末の利用は、基本的には可能ですが、サービスによって対応方法が異なります。
複数店舗対応の主なパターン
- 店舗ごとに契約:各店舗で別々に契約し、それぞれの売上を管理
- 1契約で複数端末:1つの契約で複数の端末を導入し、店舗ごとの売上を区別して管理
- 端末の共有:モバイル型端末を複数店舗で共有(小規模な場合のみ現実的)
複数店舗での利用を検討している場合は、以下の点を確認しておくと良いでしょう。
- 複数端末の一括管理が可能か
- 店舗ごとの売上管理・レポート機能があるか
- 端末追加時の費用はいくらか
- 複数店舗での利用による割引はあるか
特に、売上管理の観点からは、店舗ごとに売上を区別できる機能が重要です。Square や PAYGATE などは、複数店舗の管理機能が充実しているため、チェーン展開を考えている場合におすすめです。
7. まとめ:小規模店舗に最適なクレジットカード端末の選び方
クレジットカード端末の選び方をまとめると、以下のポイントが重要です。
費用面での選び方
初期費用と月額費用
- 資金に余裕がない場合:初期費用・月額費用が0円のサービスを選ぶ
- 長期運用を考える場合:初期費用や月額費用がかかっても、決済手数料が低いサービスを選ぶ
決済手数料
- 月間決済額が少ない場合:初期費用・月額費用が0円のサービスが有利
- 月間決済額が多い場合:決済手数料が低いサービスが有利
入金サイクル
- キャッシュフローを重視する場合:最短翌日入金のサービスを選ぶ
- 振込手数料を抑えたい場合:振込手数料無料のサービスを選ぶ
機能面での選び方
端末タイプ
- レジ周りをすっきりさせたい:オールインワン型
- 持ち運びが必要:モバイル型またはポータブル型
- 初期投資を抑えたい:モバイルカードリーダー型
対応決済ブランド
- 多様な客層がある:多くの決済ブランドに対応したサービスを選ぶ
- 訪日外国人が多い:銀聯カードやAlipay、WeChatPayに対応したサービスを選ぶ
POSレジとの連携
- すでにPOSレジを導入している:連携可能なサービスを選ぶ
- これからPOSレジも導入する:一体型のサービスを選ぶ
業種別おすすめ端末
小売店
- Square ターミナル:レシート印刷機能内蔵で、在庫管理機能も充実
- stera pack:多様な決済方法に対応し、POSレジとの連携も可能
飲食店
- PAYGATE:持ち運び可能でテーブル会計に最適
- Square ターミナル:コードレスでテーブル会計が可能、レシート印刷も可能
サービス業
- Square リーダー:低コストで導入でき、予約管理システムとの連携も可能
- PAYGATE:4G回線対応で出張サービスにも対応
イベント出店
- Square リーダー:コンパクトで持ち運びやすく、スマホさえあれば決済可能
- JMSおまかせサービス:多様な決済方法に対応し、Wi-Fi環境があれば使用可能
最終的な選び方
クレジットカード端末を選ぶ際は、以下のステップで進めることをおすすめします。
- 自店舗の状況を整理する
- 月間の予想決済額
- 必要な決済ブランド
- 端末の使用環境(固定/持ち運び)
- 予算
- 複数のサービスを比較する
- 初期費用、月額費用、決済手数料
- 対応決済ブランド
- 機能性
- サポート体制
- 無料トライアルや相談会を活用する
- 実際に端末を触ってみる
- 操作感や使いやすさを確認する
- 担当者に不明点を質問する
- 長期的な視点で判断する
- 1年後、3年後のコスト
- 事業拡大時の拡張性
- サポート終了リスク
小規模店舗にとって、クレジットカード端末の導入は大きな投資になる場合もあります。しかし、キャッシュレス決済の普及に伴い、クレジットカード決済に対応していないことで機会損失が発生するリスクも高まっています。自店舗の状況に合わせて最適な端末を選び、売上アップにつなげましょう。
端末選びで迷った場合は、初期費用と月額費用が無料のサービスから始めて、決済量が増えてきたら手数料の低いサービスに乗り換えるという方法もあります。特に、Square ターミナルやSquare リーダーは導入のハードルが低く、小規模店舗の最初の一歩としておすすめです。
最終的には、コスト面だけでなく、使いやすさやサポート体制なども含めて総合的に判断し、自店舗に最適なクレジットカード端末を選びましょう。キャッシュレス決済の導入によって、お客様の利便性向上と売上アップを実現してください。